ジャン・カルルは1892年に生まれ、1966年にグラースで没した。グラースの原料・香料メーカーで、現在はGivaudanの一部であるRoure Bertrand Fils & Justin Dupontに勤めた。ルール調香学校は1946年に正式に設立され、カルルがその初代校長を務めた。
カルルは自然界の匂いを分類したのではない。彼は職業を学ぶ人のために素材を分類し、その軸は時計で測れるただ一つであった。すなわち、特徴的な匂いがムエット(匂い紙)の上でどれだけ持続するかである。この方法は連載記事 A Method of Creation in Perfumery で示されている。流通している写しは1961年の日付をもち、Soap, Perfumery & Cosmetics の年鑑に英語で再録された。このページは概念を独自の言葉で要約したものであり、カルルの表や比率は転載していない。
| 人物 | ジャン・カルル(1892–1966) |
| 企業 | Roure Bertrand Fils & Justin Dupont、グラース |
| ルール調香学校 | 1946年に正式設立、カルルが初代校長 |
| 論文 | A Method of Creation in Perfumery(写しの日付は1961年) |
| 軸 | ムエット上での揮発性と持続性 |
| 3つのグループ | トップノート/モディファイア/ベースノート |
| 香水 | Tabu(Dana、1932)、Ma Griffe(Carven、1946)、Miss Dior(1947、Paul Vacherとの共作) |
カルルは業界の実情から書き起こす。彼自身の師の多くは、計画なしに少しずつ足していく試行錯誤で仕事をしていた。彼は、学ぶ者には枠組みが必要だと考えた。また、生まれつきの特別な鼻というものはなく、調香師を際立たせるのは嗅覚の記憶であり、その記憶は訓練から生まれるとも考えた。
第一歩は、天然・合成を問わずすべての素材を、意図した順序で嗅ぐことである。学ぶ者はまず、強く対比する匂いを嗅いで大きなグループを区別する。そのあとで初めて、同じ系統内の素材に進む。そこでは違いがより小さく、難しい。カルルは、自分の調香師たちが毎日素材の知識を確かめていたと述べている。
ムエットを繰り返し嗅ぐうちに、学ぶ者はやがて、匂いが時間とともに変化し、素材ごとに固有の速さで蒸発することに気づく。カルルはこの観察を練習に変えた。各ムエットに、滴を付けた日付と時刻を書き、次に素材が特徴的な匂いを失い始めた日付と時刻を書く。その後に出る異臭は無視する。
彼は、このような表は科学的に作成することもできるが、自分で作るほうが学ぶ者の上達は早いと強調する。結果として、すべての素材が3つのグループに分けられる。揮発性がきわめて高く持続の短いグループがトップノートであり、レモンやベルガモットのようなシトラス油がここに入る。揮発性と持続性が中間のグループを彼はモディファイアと呼び、ネロリやイランイランなど多くのフローラル素材が含まれる。揮発が遅く持続性の高いグループがベースノートであり、オークモス、パチョリ、ベチバーなどである。
モディファイアという語には理由がある。カルルによれば、多くのベース素材はムエットに付けた直後には不快な匂いがし、後の段階になって初めて魅力的になる。中間グループの役割は、その第一印象を和らげることである。トップノートは瓶を開けたときに心地よい効果を与えるが、トップノートが香水の主役になることは決してないと彼は注意する。その性格はベースにある。
カルルは、統一された印象をもつ素材の小さなブレンドをアコードと呼んだ。彼の方法はベースから始まる。性格を決めるベース素材を選び、次にそれに合う2つ目のベース素材を選ぶ。2つを少しずつ比率を変えた一連の配合で混ぜ、それぞれを嗅ぎ、主となる素材がまだ主導しているものを残す。2つ目の素材が主導権を握った時点で、アコードは別の発想になっており、求めていたものではなくなる。
ベースのアコードは3つ目、4つ目の素材で拡張でき、それぞれに順番に主導させて、性格をどちらへ引っぱるかを確かめる。ベースのアコードが定まったら、ベースの荒々しい立ち上がりを和らげるモディファイアを選び、そのあとで初めてトップノートのアコードを組む。カルルはここでははるかに大きな自由を認めた。3つのグループのバランスが香水の持続時間をおおむね決める。ミドルとトップに対してベースが少なすぎれば、香りはもたない。
論文の実例は、オークモスを中心に組んだシプレのアコードで、アンバー系のベース素材とムスクを加え、モディファイアとしてローズのノート、トップにスイートオレンジとベルガモットを置く。例の中の一部の原料は Roure 社のハウスベースで、社内のコード番号で知られ、処方は公開されていない。
リンネからヘニングまでの体系は、匂い同士がどう似ているかを問う。カルルは、素材が時間とともにどうふるまうかを問う。トップ、ミドル、ベースの区分が匂いの理論ではないにもかかわらず広く使われ続けているのはそのためである。それはムエット上や肌の上で観察できることを記述し、調合者が香りの変化を予見する助けになる。揮発性は濃度や担体にも左右されるため、カルルは学ぶ者一人ひとりに、自分の表を暗記させるのではなく、個人の表を作るよう求めた。
| オークモス | |
| ベルガモット | |
| スイートオレンジ | |
| ローズ | |
| ベチバー | |
| パチョリ |
09/2026更新。数値は各出典に記載の年に従う。
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