Estragole
4-Methoxy-1-(2-propenyl)benzene
O-Methyl chavicol · 4-Allyl anisole · 4-Methoxyallylbenzene
化学組成 · Constituent
エストラゴールは、タラゴン、エストラゴールCTのバジル、ラベンサラバークの精油の主成分である。代謝物の1'-ヒドロキシエストラゴールとその硫酸エステルを介して、マウスと雄ラットで肝発がん性を示す。
皮膚:ボランティア25名に対する3%のパッチテストでは、刺激も感作も生じなかった。原液をウサギの皮膚に塗布すると中程度の刺激があった。
経口:急性経口LD50はマウスで1.25 g/kg、ラットで1.82 g/kgである。きわめて高用量では中枢神経抑制を引き起こす。
亜慢性:ラットとマウスに37.5〜600 mg/kg/日を投与した90日間試験では、主な毒性は肝臓と胆管にみられた。300および600 mg/kgでは雄ラット全例で精巣の胚上皮に両側性の変性がみられ、高用量での雄性生殖毒性が示唆された。
心血管:エストラゴールはin vitroで強い抗血小板凝集活性を示し、アスピリンと同程度に有効とされる。
変異原性とがん:エストラゴールは1'-ヒドロキシエストラゴールへの生体活性化を介して、雌雄のマウスおよび雄ラットで肝発がん性を示す。O-脱メチル化による解毒経路は低用量では効率的だが、高用量では飽和する。
| ラベンサラバーク | 90.0 – 95.0 % |
| タラゴン | 73.3 – 87.3 % |
| バジル エストラゴール CT | 73.4 – 87.4 % |
| メキシカンマリーゴールド | 84.7 % |
| チャービル | 49.9 – 81.3 % |
| バジル マダガスカル | 45.0 – 50.0 % |
| ポンデローサパイン | 22.0 % |
| バジル ホーリー | 9.7 – 12.9 % |
| ラベンサラリーフ | 2.4 – 11.9 % |
| スターアニス | 0.3 – 6.6 % |
| ビターフェンネル | 2.8 – 6.5 % |
| スウィートフェンネル | 1.1 – 4.8 % |
| ベテル | 0 – 4.8 % |
| アニスミルトル | 4.4 % |
| アニス | 0.3 – 4.0 % |
| バジル リナロール CT | 0.2 – 2.0 % |
| ミルトル | 0 – 1.4 % |
| バジル ヘアリー | 0.3 – 0.4 % |
| ブラックティーツリー | 0.3 % |
| バジル パンジェント | 0.2 % |
| ウエストインディアンベイ | tr – 0.1 % |
ラットに経口投与すると、エストラゴールは広範にO-脱メチル化されてチャビコールとなり、その大部分は未変化のまま排泄される。ほかの経路として、CYPによるアリル側鎖の酸化があり、1'-ヒドロキシエストラゴールと2',3'-エポキシドを生じる。いずれも遺伝毒性をもちうる代謝物である。
低用量ではエポキシ化はわずかである。雌ラットの高用量では代謝の流れがエポキシ化へと移り、エポキシドが増えることで肝毒性の高さが説明される。1'-スルホオキシエストラゴールへの硫酸化はラット肝臓でヒト肝臓の約30倍効率的であり、ヒトでは安全域が広いことが示唆される。
UGT2B7、UGT1A9、UGT2B15のアイソフォームの個人差により、リスクが高くなる人もいる可能性がある。
エストラゴールは、同じく肝発がんリスクをもつサフロールやメチルオイゲノールと構造が近い。スターアニスやフェンネルの精油では(E)-アネトールとともに含まれるが、両者の安全性プロファイルは大きく異なる。
血小板凝集を阻害するため、エストラゴールを多く含むオイルの経口使用は、抗凝固療法中、大きな手術や出産の前、消化性潰瘍やその他の出血性疾患がある場合には注意を要する。